皆さんは、タープの張り綱ってどんなの使ってますか?
商品によって、もともとの付属品として張り綱が付いてくるものもあれば、購入時はタープの幕体のみで、張り綱は自分で用意しなくてはいけないものもあります。
おそらく、最初から張り綱が付属している場合、迷わずその張り綱を使ってる!って方が大多数ですよね!?
だけど、ほんとにその張り綱が最適なんでしょうか?
誤解があってはいけないので最初に言っておきますが、メーカーが標準付属品としている以上、おかしなモノでないことは確かです!
各種アウトドアメーカーが、このタープに見合った張り綱ですよ〜ってことで付属してるんですから^ ^
ただ、実際にキャンプをしている中で、「もっと短い方がよくない?」とか、「もうちょっと細い方が使いやすいかも?」って個人的に感じることがあって、、、
それだったら”自分的ベストな張り綱”ってやつを作ったらいいやん!って思ったわけで(^。^)
今回の内容は、
①付属の張り綱に、なんとなく使いにくさを感じている。
②購入したタープに張り綱が付いてないんだけど、どうやって用意したらいいか分からない。
みたいな方にオススメです。
タープの張り綱に必要な長さや太さ、張り綱の作り方についてご紹介していくので、ぜひ読み進めてくださいね(^○^)
目次
ムササビウイングコットンVer.を使ってきて感じたこと
私、テンマクデザインのムササビウイングコットンVer.ってタープを所有していまして。
タープ自体は気に入ってるんですが、最初から付属してきた張り綱が、長すぎ&太すぎと感じてました^^;
同じサイズ感で、TCバージョンのムササビウイングは継続して販売されています。
写真がもともと付属の張り綱なんですが、太さが6mmあり、タープの張り綱としてはかなり太い部類だと思います。
メーカーさん曰く、太さの理由は「タープ本体がコットン100%ということで重量があり、重たいタープを支えるのに6mmという太い張り綱を採用した」とのこと。
理由を聞けば納得なんですが、雨でも風でもキャンプに行く私の経験上、かなりの強風時において、もっと細い張り綱でもなんら問題なかったという自負もあります(^.^)
太くて最もストレスに感じていたのは、自在金具への抵抗が大きすぎること。
これについては、後ほど動画を交えてお伝えします。
次に長さに関してですが、やはり長すぎ!
標準付属の張り綱は、10m×2本、3m×4本なんですが、とくにポールに使用するメイン張り綱が10mも必要ないと感じていました。
もちろん、何mのポールを使うかによって、必要な張り綱の長さも変わってはきますが、ムササビウイングというタープは低いめで設営することがほとんどなので、こんなに長さは要らないというのが正直なところ。
「メインの張り綱の長さ=ポールの長さの約1.5倍」というのが答えなんですが、これについては後ほど詳しくお話しします^ - ^
必要な長さと太さを検討!
それではこれから、タープを設営するにあたって、必要な張り綱の長さ&太さについて考えてみたいと思います(^^)
具体的にどうやって長さや太さを決めるのかみたいな内容です。
以下では、上の写真にあるようにポール2本を使用、その他は地面にペグダウンするという最も一般的な設営方法での張り綱についてお話しします。
長さについて
①メインの張り綱
まずは、ポールに使用するメインの張り綱について。
ポールを立ち上げ、自立させるための2又の張り綱ですね(^^)
先ほどチラッと言った「メインの張り綱の長さ=ポールの長さの約1.5倍」が結論です。
では、なぜそうなるのか?
まず、以前に別の記事でもお話ししましたが、タープ設営時にメインの張り綱をペグダウンする場合、図1のように2つの方法があります。
もう一度おさらいすると、、、
Bパターン・・・張り綱を左右45°に開き、張り綱とポールの底が直線で結ばれる長さにセッティング。 ポール:張り綱≒1:1.41
Aパターンだと、ポールと同じ長さに合わせているので、ポールの長さを1とすると張り綱の長さも1。
Bパターンは、ポールと張り綱が左右とも直角二等辺三角形作ることになり、3平方の定理から張り綱の長さは√2(≒1.41)。つまり、Bパターンの方が必要となる張り綱が長くなる。
ということです(^^)
ちょっとややこしくなってきたので結論にいきますが、
①設営スペースはできるだけコンパクトにまとめたい
②強風時においても、Aパターンで耐久性に問題がなかった
という理由から、私的にはAパターンを推奨します。
なので、一度Bパターンのことは忘れてください笑
今は大丈夫なので!
Aパターンとは、上にあるような図2のセッティング方法ですね。
ただ、これだけでは「メインの張り綱の長さ=ポールの長さの約1.5倍」という理由として不十分なので、もう少しお付き合いくださいm(._.)m
図2は、タープと張り綱を地面に置いたままの状態を表しています。
これが、ポールを立ち上げるとどうなるか?というと、、、
こうなります!
この動き、お分かりいただけるでしょうか??
※真横から見ている図なので張り綱は1本しか書いていませんが、実際には張り綱2本で立ち上げています。
ポール立ち上げ前は、ポールと張り綱を同じ長さにセッティングしていたので、長さの比は1:1です。
次に、タープ本体を立ち上げるため、ポールを90°起こした結果、ポール・張り綱・地面は直角二等辺三角形を作ることになります。
ここで、3平方の定理から、張り綱の長さは1→約1.41と変化し、最終的なポールと張り綱の長さの比は1:約1.41となるのです。
したがって、理論上はメインの張り綱は、ポールの1.41倍の長さが必要であるが、少し余裕をもたせて「メインの張り綱の長さ=ポールの長さの約1.5倍」必要である。
これが結論とそれに至った根拠です^ - ^
多くの皆さんがお使いの張り綱には、自在金具って付いてるでしょ!?
その自在金具は張り綱が折り返しになって、輪っかの部分で自由に長さを変える仕組みなので、自在金具が作る輪っか部分(引きしろになる部分)を含めて、張り綱がポールの長さの1.5倍あれば十分ってことです。
ここは文章だけでは伝わりにくいと思うので、次の張り綱を作るところで理解していただければ(^^)
しつこいですが、今は「メインの張り綱の長さ=ポールの長さの約1.5倍」これだけでOKですっ!!
②サイドの張り綱
メインの張り綱でポールを立ち上げた後、幕をピシッと張るために地面にペグダウンする張り綱ですね。
図4にある赤ラインのことです。
正直これに関しては、明確な1つの答えが無いというのが結論になっちゃいます(^_^;)
なぜかと言うと、サイドの張り綱の長さは、サイトの広さによって変えることもあるし、どんな角度でタープを張りたいかによっても変わってくるからです。
例えばこーいうこと。
上の図5は、立ち上げたタープを真正面から見たものと思ってください。
①が見切れてしまってますが、同じ高さのポールで立ち上げたとしても、タープ本体をどれくらいの角度で張るのかによって、サイドの張り綱の長さは変わるということを表しています。
例えば、角度をきつくすれば張り綱は短くてすむし、緩くすればより長さが必要になるってこと。
なので、これについては正直すっごく難しい(T . T)
何度か実際に設営していく中で、こんなに長さが必要ないなぁと思えば短くしていけばいいし、もともと付属の張り綱がなくて、全く長さが分からないという場合は、3mくらいにしておけばほぼ間違いないかと思います。
各種メーカーが付属品として付けてるサイドの張り綱を見てると、大体3mくらいが多いので^_^
太さについて
個人的見解にはなりますが、結論として太さ4.5mmが妥当だと思ってます!
と言うのも、テンマクの「リフレクティブタープ用張り綱」って商品を使った時、これだっ!と思いましてね^o^
この張り綱がまさに、太さ4.5mm!
張り綱に必要な太さについては、これから深掘りしていきますが、4.5mmという太さは絶妙なバランスだと感じます。
以下、張り綱の太さを選択する上で、何を考慮しなくてはいけないかを考えてみたいと思います(^^)
①耐久性
冒頭で、”テンマクのコットン100%のタープが重いため、強度のある6mmという太い張り綱を採用した”みたいな話をしましたが、最初にこの話を聞いたとき、よく考えられてるなぁと感心しました。
ただし、耐久性と使い勝手とはまた別の話。
張り綱に関して言えば、太くなればなるほどかさばるし、取り回ししづらいなぁと感じます。
かといって、ある程度の強度も兼ね備えていなければならない。
ここで先ほどの話に戻りますが、太さ4.5mmもあれば充分ではないかなぁと考えています。
私はメーカーの人間でもないので、様々なテストをしたわけではないですが、これまでかなりの強風時におけるキャンプにおいても、張り綱が切れるということは1度もありませんでした。
そのとき使用していたのは、まさに4.5mmの張り綱です。
恥ずかしながら、ポールが倒れたというのは何度か経験しましたけどね...(^^;;
おそらくこれは設営の仕方に問題があった...
なので、張り綱が切れるところまで至るには、相当な暴風でもどうなんだろ?って感じだし、それより先にポールやペグなどのどこかが破綻するだろうというのが個人的見解なんですよ。
長くなりましたが、軽量にこだわる登山などを例外とし、オートキャンプにおけるタープの張り綱は、太さ4mm〜4.5mmくらいで大丈夫というのが私の答えです。
②自在金具との相性
これ、けっこう盲点なんじゃないかなぁ〜というお話。
自在金具にはいくつかの種類があるのを見かけたことありますよね?
写真左が最も一般的な「プレート型」、右は「三角型」で、”三角自在”なんて言ったりもします。
他にも、リング型や棒型の自在金具もあるのですが、じつは形だけじゃなく、適合する張り綱の太さも違うんですよ!
例えば、
写真左(エリッゼ アルミ自在金具)であれば、太さ3mm〜5.5mmまで
写真右(テンマク アルミ三角自在)であれば、太さ5mm〜6mmまで
といった具合です。
つまり、自在金具の適合する径よりも張り綱が太いと入らないし、細いとスコスコで摩擦がかからないという問題が!
なので、一から自分の好みの張り綱を作ろうとする場合、使おうと思ってる張り綱の太さにあった自在金具を選んでくださいね(^_^)
自分好みの張り綱を作る方法
では実際に、一から自分の好きな張り綱を作る方法についてご紹介します。
今回は、テンマクのムササビウイングコットンVer.付属の張り綱を、全て一新したいと思います(^O^)
準備したもの
①張り綱
まず張り綱ですが、今回は白にしたかったのでテンマクは諦め、地元モンベルの切り売りコーナーで購入。
太さは4mmなので、なんとか合格。
長さは予め計算しておき、27m分購入しました。
②自在金具
これまで何度か購入し、安心感のあるエリッゼの自在金具をネットで購入。
写真の自在はシルバーですが、今回は赤色をチョイス♪
③その他必要なもの
その他、張り綱を作製するにあたって、準備しなくてはいけない物はこんな感じ。
すぐに使えるよう、手元に置いてから始めてください(^-^)
作製手順
①メインの張り綱
まずはじめに、そのタープを設営するのに使おうと考えているポールを準備してください。
それに合わせてメインの張り綱の長さを決定していきます!
もしも、テンマクの張り綱のように巻かれた状態の張り綱の場合、最初に伸ばしてクセをとっておいたほうが後々楽ですよ!
例えば、240cmで使うことが多いけど、たまに280cmでも使う。という場合は280cmに合わせて張り綱を作りましょう。
長ければくくったりして調整できますが、長さが足りないと後で面倒なことになりますので^^;
思いのほかメジャーが短かったので、張り綱を折り返しながら慎重に長さを測る。
とりあえず目標の750cmになるように。
いい長さのところでハサミを使って切断。
ここでのコツは少し張り綱にテンションをかけながら切ると、きれいに切断できます。
その後はすぐにライターで先端を溶かし、張り綱がほつれてこないように固めておく。
ターボライターだと屋外でも使いやすいかも♪
所定の長さに切った後、張り綱を2又にするため、折り返しの真ん中で輪っかを作る(フューラー結び)。
次に自在金具側については、先端が抜けてしまわないように先端を結んでおく(止め結び)。これを自在金具2つとも。
ちなみに、張り綱のペグを引っ掛ける輪っか部分は、自在金具の膨らんでる方にくるのが正解です!
完成したメインの張り綱はこんな感じ。
じつは、ちょっとだけびびって気持ち長めにとってしまったので、ポールの長さの1.6倍くらいになってますね笑
②サイドの張り綱
今回、サイドの張り綱で迷いました^^;
従来の張り綱が3mだったので、それより少しだけ短く、結索部分含めて270cmとしました。
メインの張り綱と同じように切断した後、タープにつく方の先端に輪っかを作り(8の字結び)、自在金具側の先端を結んでおきます(止め結び)。
結果はいかに
先ほど自作した張り綱を使い、さっそくタープを設営してみました(^ ^)
完成した状態はこんな感じでとくに問題なし。
次に、長さが適切であったかを確認するため、自在金具の位置を見てみると、ポール180cm側では半分を少し越えた位置にきてはいるものの、両方ともおおむねいい長さに仕上がってました^_^
サイドの張り綱については、自在金具の引きしろギリギリのところまで来てしまってたので、ちょっと長すぎたと反省(p_-)
今後使っていく中で、より使いやすい長さにアップデートしていきたいと思います!
今さら自在の使い方なんですが、張り綱の長さを調節する際、自在金具の角度を変えながら前後に動かして調節しますよね。
これに関しては、今回張り綱を細くして、自在金具も変更したことで、格段に使いやすくなりました!
その様子が以下の動画↓
以前は自在金具にかかる抵抗が大きすぎましたが、変更した後はちょうど良い抵抗のかかり具合になってます(^_^)
自分に最適な張り綱で設営をスマートに
思ったよりもボリュームのある内容になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
キャンプをすればするほど、自分が使いやすく、スマートに設営したいもの(^ ^)
最後に少し余談ですが、皆さまはパラコードってご存知でしょうか?
私も厳密には違いが分からなかったのですが、正式にはパラシュートコードって名前らしく、実物を触った感じだと表面が少しツルッとしている印象。
実際にタープの設営の張り綱として使用したことがあり、今までは問題ありませんでしたが、やはり自在金具に適度な抵抗を与えてくれる張り綱の方が良さげです。
なので、張り綱として使えなくはないですが、最悪の場合は自在金具のロックがかからなくなるといったトラブルも考えられるため、やはりテンマクなどの張り綱をプッシュすると捉えてくださいませm(._.)m
話を戻しまして、、、
もともとタープに付属の張り綱。
もちろん、各メーカーさんとしては、ユーザーが困ることがないよう、充分に考えられてるわけですが... はたして、それが自分にとって最適とは限らないですからね。
より設営を素早くこなし、愛着とこだわりをもってキャンプをすることができれば、楽しみも広がるのではないかと思います♪
冒頭で述べた思いをお持ちの方、ぜひ張り綱について考え直してみてください(^○^)